──貴方に伝えたかった、たった一言。

私の通う正憲(まさの)高等学校の体育は男女混合の体育だ。

今回の体育はバスケットボール。

私はスポーツにはものすごく疎い。

男子はステージ側のコートを使い、私たち女子は出入り口側のコートを使う。

「二人一組を作ってパスの練習をしましょう」

体育の先生が指示を出すとみんなが一斉に動き出した。

「茜里!一緒にやろっ!」

ボールを持って来ている真希が言った。

考えることも無く「やろ!」と真希に言った。

私はパス練習をするため、真希と十分な距離をとった。真希に「いいよー!」と言いながら手を振る。

そういえば天野くんって運動得意なのかな…。

本当に天野くんのことを知らない。

そんなことを考えてたら「茜里!パース!」と真希の声と同時にボールが飛んでくる。

「あ…!」

少しボールが高く、手を上に出来るだけ伸ばしたが届かなかった。

ボールが男子の方に転がって行く。

「茜里ごめーん!ちょっと高かった!」

大声で謝る真希がいた。

「ううん!大丈夫!」と言ってボールを拾いに行った。