──貴方に伝えたかった、たった一言。

「せ……星!」と目の前で星に大きな声で言った。

「びっくりした……なに?」と星は優しく訊いてきた。

明日……明日だ……明日絶対に言おう……。

「明日の夕方の五時にここに来てほしい!」と私は星にはっきりと言った。

「……よく分かんないけど、わかった。じゃ!また明日」と星は走り去って行った。

明日……ここで言う……。

たった一言。

この一言は、新しい何かを作る一言か、今まであった全てを壊してしまう言葉か……。

わからないけど……。

言わなければ何も始まらない。

私も……自分の奇跡を信じて、星に言うんだ。

私は振り返って、夕日と海を見つめる。

この夕日と海に誓って、私は明日言います。

彼に……星に……。