──貴方に伝えたかった、たった一言。

「で……出来た!」

横からそろ~っと見る星に少し笑いそうになった。

「すっごい綺麗だよ。さすが茜里」と星は振り向いて、私に笑った。

綺麗な太陽の光が海に差し込み、綺麗な太陽と海が完成した。

私が塗ったところが本当にいい感じなのかはわからないけど、星と一緒に描いた絵はとても良かった。

「いい絵も出来たし、そろそろ帰ろうか」と道具を片づけて、乾いたキャンバスを持った。

「星」と私は名前を呼んだ。

「どうかした?」と星は振り返った。

「これ……前のプレゼントのお返し」

私はバッグから小さな袋を出して、星に渡した。

星は「ありがとう」と言って袋を丁寧に開けた。

「これって……」と私のあげたプレゼントに唖然としていた。

「これ……前星がくれた桜のミンサー指輪と似たような指輪がいいなって思って、星のミンサー指輪があったから買ってきたの」

そう言いながら、私は指にはめている、桜のミンサー指輪を見せた。

でもミンサー指輪の意味って、なんだっけ……。

「……喜んでもらえた?」と恐る恐る訊く。

「ありがとう。こんなプレゼント初めてもらったよ。本当にありがとう」と言いながら指輪を薬指にはめた。

付き合ってすらないのに……薬指にはめてる……。

私も……はめてみたくてはめたけど……まだそれに見合ったことが出来てない。

よし……決めた……。