──貴方に伝えたかった、たった一言。

「おぉ…着いた…」

ここが星の言っていた『美術展』だ。

「さてと、早速入ろうか」と美術展を指さしながら星が言った。

前を歩く星にしっかりついていく。

どんな絵が展示されてるんだろう……。

美術展に近づいて行くほど、好奇心がどんどんと湧いてきた。

美術展に入って受付を済まして、扉の向こうに足を一歩踏み出した。

         ♢

「わぁぁ…!」

目の前に広がる光景に思わず圧倒されてしまう。

知らず知らずの間、星たちを置いて、少し走って行ってしまった。

視界いっぱいに広がる個性豊かな絵たち。

静かな空間にたくさんの世界が映っているようだった。

「星……すごいよ……!」

後ろを、バッ!と振り向いて、星に伝えた。

星は何も言わず近づいて来て、パンフレットを取り出して、注意書きのところを指を指した。

そこには『美術展内では大きな声を出さないで下さい』としっかりと書かれていた。