──貴方に伝えたかった、たった一言。

そこには『様々な高校の代表作の絵の美術展。近々、全国美術展にも展示される作品など展示されています』と書いてあった。

「美術展……?」と私が呟くと、「そう」と星が頷いた。

「これ、チケット一枚で四人まで行けるんだ。みんなで行かない?」と星が言うと

「おれはパス~、美術とかよくわかんないし」とそっぽ向いて、内田が歩き出した。

「あ…待って!」と内田の手を掴んで真希が言った。

「一緒に行こうよ!私も美術とかよくわかんないから、わかんない同士行こうよ!ね?」

真希が両手で掴んで、すごい早口で言うと、「ま…まぁ…そこまでいうなら……」と気恥ずかしそうに内田は言った。

内田の奴……もしかして真希のこと……。

いやいやそんな訳ないか……。

「じゃ!明日七時に光野駅(みつのえき)で集合!」と星が元気よく言った。

楽しみだな……。

私から自然に笑みが溢れた。