──貴方に伝えたかった、たった一言。

「同じ高校だったの?!」

内田と真希がバスケットコートの端のベンチで休憩しながら会話をしている。

「私はまだ許してない……」

むすっと内田の方を見ながら呟くと「まぁまぁ」と星が声をかけてくれた。

「今のあいつは、今までの悪い奴じゃない。きっともう大丈夫だよ」

「まぁ……星がそこまで言うなら……」

しかし最近、真希と内田がすっごく仲が良くなっている。

真希も友達作りに慣れてきたのかな。

そう思えるだけで、ほっとする。

まぁ……仲良くしてるのは、前までいじめてきた奴だけど……。

「みんな、ちょっと集まってくれる?」

星が口に両手をあてて、真希と内田を呼ぶ。

「どうしたの?なにかあった?」

「俺はなんもしてねーぞ?」

星が話す前に二人が駆け寄りながら言う。

「実は明日こんなところに行きたいんだけど、みんなで行かない?」

そう言って星が一つのパンフレットを鞄から取り出した。