このタオルを渡したら、

私は正輝の手を離そう。

そして今度は健悟の手を握れたらいいな。

「私、・・・行ってくるねっ!!」

真はちょっと驚いていた。

そしてニッコリ笑った。

「うん、頑張れ!!私ここで待ってるね。いってらー。」

真が大きく頷いて小さく手を振った。

私もそれに応えて頷き、

真に背を向けて健悟のもとに走った。


「健悟っ!!」

私は健悟を大きな声で呼んだ。

『あれ?詩織、どうしてここに!?』

健悟は目を大きくあけてびっくりしていた。

そんな健悟がおもしろくて、

私は緊張がほぐれ自然に笑顔になった。