翌日、私は絡んでくる不良を返り討ちにした最凶女子として、ますます学校中の注目の的になっていた。
もう、廊下も歩けやしない。
周囲の目が、嘲りから恐怖にレベルアップしただけだ。
伯父さんから教えてもらった、身を守るための護身術が仇になるなんて……。
もう私には、目立たない人生は一生送れないんだ。
中学時代もそうだったもん。
親友だと思ってたナッちゃんも結局、イジメに加担して私を……。
「青山さん、今日のランチ、僕の手作りなんだけどよかったら試食して感想教えてくれる?」
私が机に突っ伏していると、咲夜がわざわざ私の席までやって来てくれた。
「う、うん。私でいいなら」
「やった!」
咲夜は嬉しそうに笑うと、いそいそと私の隣の机をくっつけ出した。
「この席の人に、一言断ったほうが……」
「平気だよ。この席のヤツ、快く譲ってくれたから」
本当かな?
私が教室を見渡すと、何だかみんな結界が張られたみたいに、私と咲夜を遠巻きにしている。
私が怖いのか、それとも……。
「ねぇ、昨日月城くんをロバって言った上級生たちを連行した人達、月城くんの子分?」
「うん、そう」
意外にも、咲夜はあっさりと認めてしまった。
「あの上級生どうなったの!?」
「大丈夫、生きてるよ」
咲夜は、ふんふんと鼻歌交じりにランチボックスを開けている。
「アイツらは、中学からの仲間だよ。でもこの高校でトップ張るなら、もっと人材が欲しいところだね」
私は何だかイヤな予感がした。
「あ、違う違う!青山さんのことは損得勘定じゃない。ヤンキー高校の紅一点で、何かあったらと心配で心配で……。お節介焼いて、ごめん」
咲夜はなぜか申し訳なさそうに、うなだれる。
「そんなことないよ、お節介とか。私こそ、親切にしてもらってるのに、まだお礼も言ってなくて……」
私がそう言うと、咲夜はパッと明るい顔になる。
「じゃあ、いいんだね!僕がトップになるためのサポートを青山さんにお願いしても!?」
「え、はい?」
「青山さん、俺が廊下で話しかけた時、自分の体を正面に向けず、半身になったよね。あれは正面から攻撃された時、体の表面積を小さくするためでしょ?」
「気づいてたの?」
「うん、それに僕が左利きと知って、必ず左側に回り込もうとした。武器を持つ利き手側にいたほうが攻撃されにくい。青山さんは、護身術の心得があるね?」
咲夜は私の目をジッと見つめる。
この人に、ごまかしは通用しないだろう。
「私の伯父が警察官なの。だから中3の頃、教えてもらった」
「教えてもらったからって、簡単にできるもんじゃないよ。観察力と冷静さ、青山さんは本当にすごいよ」
咲夜は熱を帯びた視線で、真っ直ぐに私を見つめてくる。
本当にきれいな顔だ。
それに驚くほど頭の回転が早い。
こんな男子と二人で、トップを目指したら楽しいだろうな……。
私の胸が熱く高鳴る。
でも、ダメ……。
私なんか、どこに行ってもみんなから浮くだけだもん。
きっと、うまくいかない。
「ごめん。月城くん。私には無理だよ」
私は無理に笑っているのが、自分でもわかっていた。
もう、廊下も歩けやしない。
周囲の目が、嘲りから恐怖にレベルアップしただけだ。
伯父さんから教えてもらった、身を守るための護身術が仇になるなんて……。
もう私には、目立たない人生は一生送れないんだ。
中学時代もそうだったもん。
親友だと思ってたナッちゃんも結局、イジメに加担して私を……。
「青山さん、今日のランチ、僕の手作りなんだけどよかったら試食して感想教えてくれる?」
私が机に突っ伏していると、咲夜がわざわざ私の席までやって来てくれた。
「う、うん。私でいいなら」
「やった!」
咲夜は嬉しそうに笑うと、いそいそと私の隣の机をくっつけ出した。
「この席の人に、一言断ったほうが……」
「平気だよ。この席のヤツ、快く譲ってくれたから」
本当かな?
私が教室を見渡すと、何だかみんな結界が張られたみたいに、私と咲夜を遠巻きにしている。
私が怖いのか、それとも……。
「ねぇ、昨日月城くんをロバって言った上級生たちを連行した人達、月城くんの子分?」
「うん、そう」
意外にも、咲夜はあっさりと認めてしまった。
「あの上級生どうなったの!?」
「大丈夫、生きてるよ」
咲夜は、ふんふんと鼻歌交じりにランチボックスを開けている。
「アイツらは、中学からの仲間だよ。でもこの高校でトップ張るなら、もっと人材が欲しいところだね」
私は何だかイヤな予感がした。
「あ、違う違う!青山さんのことは損得勘定じゃない。ヤンキー高校の紅一点で、何かあったらと心配で心配で……。お節介焼いて、ごめん」
咲夜はなぜか申し訳なさそうに、うなだれる。
「そんなことないよ、お節介とか。私こそ、親切にしてもらってるのに、まだお礼も言ってなくて……」
私がそう言うと、咲夜はパッと明るい顔になる。
「じゃあ、いいんだね!僕がトップになるためのサポートを青山さんにお願いしても!?」
「え、はい?」
「青山さん、俺が廊下で話しかけた時、自分の体を正面に向けず、半身になったよね。あれは正面から攻撃された時、体の表面積を小さくするためでしょ?」
「気づいてたの?」
「うん、それに僕が左利きと知って、必ず左側に回り込もうとした。武器を持つ利き手側にいたほうが攻撃されにくい。青山さんは、護身術の心得があるね?」
咲夜は私の目をジッと見つめる。
この人に、ごまかしは通用しないだろう。
「私の伯父が警察官なの。だから中3の頃、教えてもらった」
「教えてもらったからって、簡単にできるもんじゃないよ。観察力と冷静さ、青山さんは本当にすごいよ」
咲夜は熱を帯びた視線で、真っ直ぐに私を見つめてくる。
本当にきれいな顔だ。
それに驚くほど頭の回転が早い。
こんな男子と二人で、トップを目指したら楽しいだろうな……。
私の胸が熱く高鳴る。
でも、ダメ……。
私なんか、どこに行ってもみんなから浮くだけだもん。
きっと、うまくいかない。
「ごめん。月城くん。私には無理だよ」
私は無理に笑っているのが、自分でもわかっていた。



