【番外編】再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。その後の話。

「ちょっ、ちょっと待ってメリー!」

 慌ててシーツに身を隠す。
 でも、驚いたのは私だけじゃなかった。

「何者だ貴様!?」

(へ?)

 リューがガバっと起き上がり、私を守るように前に出た。全裸で。
 それを見て今度びっくりしたのはメリーだ。

「んぎゃーー! なんてもん見せてんだこのド変態族がーー!!」
「貴っ様ァ……この竜帝に向かって」

 リューが護身用だろう、ベッド脇に立てかけてあった剣を手に取って焦る。

(そっか、リューはメリーが人の姿に変身出来るようになったこと知らないんだ!)

「リュー! メリーです、メリー!」
「は?」

 私がその背中をパチパチと叩きながら言うとリューがこちらを振り向いた。

「メリーって……」
「そうだぞ!」

 えっへんと胸を張るメリー。

「妖精王さまがいつも頑張ってるメリーにご褒美をくださったのだ!」

 リューがもう一度、色んな感情が入り混じった変てこな顔でこちらを振り返ったので、私は肯定の意味を込めて何度も頷く。

「どうだ、恐れおののいたか! これでメリーもコハルさまをお守り出来るようになったんだからな! 癒しの力もあるからもうお前よりもお役に立てるぞー!」

 すると、リューは頗るひっくい声で言った。

「貴様……男だったのか?」