【番外編】再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。その後の話。



「コハルさま~~」

 そんな呼び声で、私は夢の中からゆっくりと浮上した。

(メリー?)

 重い瞼を開けるとすぐ傍にリューの長いまつ毛が見えて、どきりとする。

(そっか、私あのまま……)

 今一体何時だろう。どのくらい眠ってしまっていたのだろう。
 分厚いカーテンの向こうが明るくて、まだ昼間なのだとわかって少しほっとする。
 起き上がろうとして、でも自分が何も着ていないことに気付いて慌てる。リューもだ。
 こんな状況をメリーに見られたらマズイと服を探していると。

「ん……コハル?」
「リュー、あの、私の服はぁっ!?」

 どこですかと続けようとして、また強引にシーツの中に引き戻されてしまった。
 肌と肌がしっかりと密着して今更なのにかぁっと顔が熱くなる。

「今日は一日ゆっくりしていいと言われたろう」
「でも、メリーが呼んでて」

「コハルさま~~? まだお休みですか~?」

「ほら!」
「放っておけばいい」
「そういうわけには……リューはまだ休んでていいんで、服を」

 その腕から逃れようとしているときだった。
 バーンと内扉が開いて人の姿をしたメリーが元気いっぱいに声を上げた。

「コハルさま! お疲れでしたられべるあっぷしたメリーが癒してさしあげますー!」