今日は一日ゆっくり休ませてもらえることになった私たち。
 ローサは早速私のお世話をしますと張り切っていたけれど、しっかり休むようにとセレストさんにも言われ渋々寮へと帰っていった。
 ぐっすりと眠っているメリーを自室のソファに寝かせ、すっかり煤けてしまったもこもこの身体を明日洗ってあげようと決め、私は何日かぶりにゆっくりとお風呂に浸かった。
 そして、久しぶりにゆっくりベッドで眠れると寝室に入った途端のことだった。


 熱を帯びた瞳に見下ろされた私は焦って続けた。
 
「今日は休ませてください! それに、お腹の赤ちゃんが」
「激しくしなければ問題ないと聞いた」
「誰に聞いたんですかそんなこと!」

 思わず素っ頓狂な声が出てしまった。
 きっとセレストさんだろうけれど、全く勘弁して欲しい。
 でも、リューは少し怖い顔で言った。

「あの王子の跡を一刻も早く消し去りたい」
「は!?」
「キスはされたか」
「さ、されてな、」

 ――そういえばあの夜、リューにキスをされたのだと思って目を覚ましたけれど、あれはもしかして。
 今更そんなことを思い出してしまって、その一瞬の間がいけなかった。

「されたんだな」

 リューの目が完全に据わったのを見て、私は青ざめた。