Simple-Lover







『お前は俺の』



言われた二度目は、前にも増しての破壊力。




学校に行ってもずっと、ずーっとヒロにぃの事ばっかり頭の中を支配してて、私は、ヒロにぃ以外を好きになんて絶対ならないんだって、心底自覚した。



だから、早川にもきちんと話をして、再びヒロにぃに会える放課後を持つ。



HRの後呼び出された職員室で、上の空の私に先生が「もう行っていいや」と呆れたくらい。


早く、ヒロにぃに会いたい!


ダッシュで校門に向かった。



…のは良かったんだけど。



「……お疲れ。」

待っていたのはどことなくテンションの低いヒロにぃ。


「お、お疲れ…さま…」
「…行くよ。」


それでも、私の手を戸惑いなく握ってくれる。
…人前だからちょっと無愛想にしてるのかな?って思っていたんだけど。


旅行会社でパンフレットを貰って話を聞いて、帰って来て私の部屋に入った途端、背中から抱きしめられて。
そのままずっと、私の首筋に顔が埋まりっぱなし。


「…ヒロにぃ、パンフレット見ないの?」
「……。」


もぞもぞと少し動いたと思ったら、首筋に歯を立て…甘噛み。


「っ!ひ、ヒロにぃ…」
「制服、脱がそ。」
「ちょ、ちょっと…お母さん居るんだよ?」
「そうだっけ?」


ジャケットとブラウスのボタンをプチン、プチンと外しながら、首に唇をちゅ、ちゅっとくっつけるヒロにぃ。
だらしなくはだけた肩にまたキスを落された。
そのまま、ぎゅっと私を捕らえ直した、ヒロにぃは、口を耳に近づける。


「…昨日“ハヤカワ"と何かあった?」


ドキンと鼓動がより強く跳ねた。


「…な、何で…?」
「んー?何となく?」


腕で器用にジャケットとブラウスをずり下ろし、するりと肌に指先を滑らせ下着の紐に手をかけた。
今度は、鎖骨から、胸の付け根に向かって何度もキスが落され始める。


「ひ、ヒロにぃ…ま、待って…」
「ヤダ。」


こ、このままだと本当に…
お母さんが下にいるのに。

ヒロにぃの腕の中でくるんと向きを変え、真正面に向いて首に腕を回した。