恋するリリー


「美香さんに、、、柊司くんと付き合ってるのか聞かれて、付き合ってるって答えられない自分が悔しかった、、、。わたしは、、、柊司くんの何なんだろうって、、、」
「恵麻、、、不安にばかりさせて、ごめん、、、。俺、、、最低だなぁ。俺、本当は恵麻とちゃんと恋人関係になりたいよ?でも、、、俺はカナダに行くから、かなりの遠距離になる。いつ日本に戻って来られるかも、まだ分からない、、、。もし恵麻と付き合ったら、恵麻に寂しい思いをさせるし、待たせてしまうことになる、だから、、、」

柊司くんがそう言ったところで、わたしは「待つよ。」と言った。

「えっ?」
「わたし、、、待ってる。柊司くんの夢、応援するって言ったでしょ?だから、柊司くんが夢を叶えられるようになるまで、待ってる、、、。」
「でも、何年かかるか分からないんだよ?」

わたしはゆっくり柊司くんから離れると、柊司くんを真っ直ぐに見て「分かってる。だって、せっかく再会出来たんだよ?もう、、、後悔したくない。」と言った。

すると柊司くんは堪えていた涙を流し、「恵麻、、、ありがとう。」と言い、再びわたしを抱きしめると、耳元で「大好きだ。」と囁いた。

「美香さんも一緒に行くんでしょ?浮気しないでね?」
「するわけない。俺には、恵麻しか居ないから。」
「カナダって綺麗な人多そうだから、不安。」
「大丈夫。俺には、恵麻以外はジャガイモにしか見えてないから。」
「ジャガイモ?」

そう言って笑い合うわたしたち。

柊司くんは「恵麻?」とわたしを呼んだ。

「なに?」
「俺と、、、付き合ってくれる?」

わたしは柊司くんの言葉に頷くと、「その言葉、待ってた。」と言い、心の底からの喜びが笑顔として表れたのだった。