「遊ばれてるだけなのよ。さっさと諦めたら?」
「柊司くんは、そんな人じゃありません。」
「じゃあ、何で告白してくれないんでしょうね?」
「、、、、。」
美香さんは"元カノ"オーラ全開で、まるでわたしに喧嘩を売っているようだった。
しかし、わたしは人と言い争う事が苦手だ。
すると、美香さんは「まぁ、どうせあと1ヵ月しか一緒に居られないもんね。」と笑った。
え?あと1ヵ月?
「どうゆうことですか?」
「何?柊司から何も聞いてないの?柊司、来月からカナダに留学するのよ。わたしも付き添いで一緒に行く事になってるの。」
「えっ、、、」
来月から、カナダに留学?柊司くんが?
そんなこと何も言ってなかった、、、
「だから、柊司にはわたしが必要なの。あなたじゃなくて。」
美香さんはそう言うと、何も知らず俯くわたしを見て、勝ち誇ったような微笑みを浮かべ、「それじゃあ、わたし帰るわね。」と言い、わたしの横を通り過ぎて去って行った。
ショックだった、、、
柊司くんが離れて行ってしまう、一緒に居られなくなってしまう、、、
それよりも、そんな大事なこと、、、
柊司くんの口から聞きたかったよ、、、
わたしは涙を流しながら柊司くんの家の鍵を開け、中に入ると、靴を脱いですぐに床に座りこんだ。



