恋するリリー


わたしは、それからも柊司くんの家に通っては、半同棲のような生活を送っていた。

しかし、わたしたちは付き合ってはいない。

お互いに"好きだった"と過去の気持ちを伝え合い、当時の気持ちが蘇っている事は確かなのだが、"付き合おう"という言葉は交わしていないのだ。

わたしたちの関係って、、、何なんだろう。

そう思いながら、今日もわたしは仕事帰りに買い物をして、柊司くんの家に向かった。

そして、アパートの階段を上り切ると、柊司くんの自宅のドアの前に1人の女性が立っていた。

それは、こないだ勝手に柊司くんの家に上がり込んできた元カノの美香さんだった。

今日は柊司くんではなく、まるでわたしを待ち構えていたかのような表情をして。

「何かご用ですか?」

わたしがそう訊くと、美香さんは腕を組みながら、わたしを見下しているような表情で「あなた、柊司の何なの?」と言ってきた。

「何って、、、」
「彼女なの?」
「いえ、彼女では、、、」
「何?付き合ってないの?ってことは、ちゃんと柊司に告白されてないんだ。」

そう言って、意地悪に笑う美香さん。

そう言われて悔しかった。
でも、それは事実で、、、

わたしは何も言い返すことが出来なかった。