李玖side
制服の紺のブレザーから伸びる手が、少しずつ厳しくなってきている寒さで赤くなっている。
はぁ、と吐いた息も、わずかに白くなってきている…、ように思える。
駅から200mほど歩くと、すぐに私立聖王高等学校、と書かれた校門が見えてくる。
私は今年から、ここの生徒になった。
花壇に植えられた白いクリスマスローズが綺麗だ。
クリスマス。もうそんな時期。今年もいつメン達とクリパかなー、そんな事を考えていると。
どんっ!背中に衝撃が走った。振り返ればキーホルダーでいっぱいに埋め尽くされた、見慣れたリュックが目に入る。



