「もうひとつ、失礼なことを聞きますが、婚約解消の原因は?」 みやびは一瞬憤怒の表情を表わし、しかしすぐに冷静な顔に戻った。 「振られたの。この私がよ?!申し訳ない、君とはやはり結婚することは出来ないって勇次さんにハッキリと言われたわ。別にこっちだって愛情があったわけでもなし、何様よってすぐに立ち直ったけどね。」 「そうでしたか。立ち入ったことを答えて頂き、ありがとうございました。」 葉山はそう言って深く頭を下げ、環もそれに倣った。