「でもね。」

みやびは突然声を荒げた。

「あんな男、こっちから願い下げよ。」

「・・・?!」

「いいところで逃げちゃうの。こっちはすっかりその気になっているってのに・・・。女に恥をかかせて何様よっての。」

「いいところ・・・?」

みやびの言葉に首を傾げる環に、葉山は助け船をだした。

「つまり・・・男女の関係になろうとしたところで寺島君が怖じ気づいたってことで合ってますか?」

「ま、そういうこと。」

「・・・・・・!!」

なぜか環は聞いてはいけないことを知ってしまったような気がして、思わず俯いた。