「環は心配性だな。だから彼氏ができないんだよ?」 「・・・・・・。」 「彼、とっても優しいの。今日着てきたこのブラウスも彼からのプレゼントなのよ。」 頼子は高価な柄物のブラウスをつまんでみせた。 たしかに頼子の装いは垢抜けた。 けれど飾り気のないおおらかな頼子には、少し無理をしているような気がしてそれが環の心に影を落とすのだった。 「デートは全部彼持ちだし、素敵なレストランやお洒落なバーへ連れていってくれるの。」 「そう・・・。」 頼子の彼氏、大川はどうやら羽振りが良いようだ。