友恵の訃報が届いたのは真冬の雪が降る寒い日のことだった。
環は告別式で飾られた笑顔の友恵の写真をみつめながら、嗚咽を漏らした。
夜眠る前には友恵を思い出し、涙で頬を濡らした。
毎日、涙が涸れるまで泣いた。
何もかもが空しく、生きる希望を失った。
そんな環を励ましてくれたのは兄太一と、友恵を失った環に近づき寄り添ってくれた岡本頼子だった。
頼子は友恵とは親交がなかったが、元気のない環に声を掛けてくれた、少し天然なところのある明るい友達だ。
そして友恵の墓参りには、毎年一緒に付いてきてくれる。
メニュー