「でも・・・環はいいな。きっとこれから好きな人が出来て、その人とデートしたりキスしたり・・・愛を交わし合うことが出来るんだもん。私にはもう叶えられない望み。」
「友恵だって出来るよ・・・病気が治って、いくらでも恋することがきっと出来るよ!」
「ありがとう・・・環。でもやっぱり無理。私には時間がない。」
友恵はそっと環の両手を自分の手で握った。
それは病人とは思えぬ強い力だった。
「もしかして友恵・・・好きな人がいるの?」
思わずそう尋ねた環に、友恵はただ弱々しく微笑み、花瓶の花を見た。
それは青いブルースターの花束だった。
「・・・私もしない。友恵が恋できるようになるまで、私も絶対恋しない!」
環は友恵にそう誓った。



