ある晴れた晩秋の午後、環が見舞いに行くと、友恵はベッドから身体を起こしていた。 友恵は微笑んでいたけれど、その目は淋しそうに見えた。 環は思わず友恵の身体を支えた。 「友恵、横にならなくて大丈夫なの?」 「うん。今日は気分がいいの。」 「なにかあった?」 「まあね。」 友恵はそう意味深ににこりと笑った。 そしてふと環につぶやいた。