環は思っていたより事態が深刻なことにショックを受けていた。 「私は招かれざる客なんですね。」 「残念ながら。」 葉山は環の震える手をそっと両手で包み、痛ましげな瞳で環を見据えた。 「いっそのこと寺島家へ行くのは諦めませんか?稲沢君と寺島君は不幸な事故でこの世を去った。悲しいけれどそれが事実であり真実だ。貴女はそれを受け入れなければならない。」 「わかっています。でも・・・納得できないんです。だから・・・どんなに忌み嫌われていても・・・寺島家を訪問することに決めました」