「いつもお疲れ様。乾杯。」
「今日は誘って頂きありがとうございます。乾杯。」
口に含んだ梅酒はとろりと濃厚で甘く、環の好みに合った。
次々に運ばれてくる味も彩りも絶品な料理を楽しみながら、葉山は環に問いかけた。
「ring銀座店にはもう慣れましたか?」
環はゆっくりと大きく頷いた。
「はい。とても素敵なお店で、働けて光栄です。扱っている雑貨も機能性はもちろんフォルムも洗練されていて、たまに自分でも購入しています。」
環の言葉に、葉山は大きく息を吐き、感極まった顔をした。
「そうですか。環さんにそう言ってもらえると俺もこの会社を作った甲斐があるというものです。」
「そんな・・・大げさです。」
葉山の口ぶりに、環は小さく首を振った。



