その日も、店舗の売り上げチェックに来た水城が環に難癖を付け始めた。
環の選んだ花が気に入らない、と言い出したのだ。
他のスタッフが触らぬ神に祟りなしと傍観する中、水城は公開処刑のように環を怒鳴りつけた。
「稲沢さん!この花はなに?店のイメージに合わないんだけど。あなた一体どういうセンスをしているの?!」
イメージカラーのベージュに合うような可憐な花を選んだつもりだったが、水城のあまりの剣幕に、環は素直に謝った。
「すみませんでした。以後気を付けます。」
「以後じゃ困るの。すぐに代わりの花を買ってきて!」
「どんな花を買ってくれば良いですか?メインカラーだけでも言って頂けるとありがたいです。」



