「こちらこそ。そうして頂けると、俺としても助かります。実は俺、水割りはそれほど得意ではないんです。」

「え・・・?それならそうと早くに仰って頂ければ、別のものを用意しましたのに・・・。」

「いえ、いいんです。環さんが作ってくれる酒は別格なので。」

葉山はそう言って微笑み、再び水割りを口にした。

「それよりも・・・」

葉山は目を伏せてつぶやいた。

「環さんが他の男に微笑む姿を、これ以上見るのは耐えられそうにありませんでした。」