「もしかして兄になにか恩でもあるのですか?」

「・・・そうですね。当たらずとも遠からず、といったところでしょうか。」

「そうなんですね。」

その言葉で環は決心した。

それなら葉山の気が済むようにしよう。

「わかりました。私を葉山さんの店で雇ってくださいませんか?どうぞよろしくお願いします。」

そう頭を下げる環に葉山は頷いた。