言葉通り葉山は2日に一度は『clover』に顔を出し、環を指名した。

その日も静かに水割りを飲む葉山の横で、環は所在なく座っていた。

そして思い切って葉山に尋ねた。

「どうして私なんかに構うんですか?」

「さあ。どうしてでしょうか。環さんに俺のことを考えて欲しいから、とでも言っておきましょう。」

ハイスペックな葉山に好かれる理由など、環には何も思い当たらない。

「冗談はよしてください。」

真面目な顔でそういう環に、葉山はいたずらっぽく微笑んだ。