あれはまだ俺が入院していた夏の日・・・
その頃、隣の病室の結城友恵という女子高生が、俺の元へ遊びに来るようになった。
歳の近い患者が少ないから、暇つぶしに来ているのだろうと思っていた。
ある日結城友恵が、手作りらしいクッキーを持ってきた。
「斎君。一緒に食べない?」
そのハート型のクッキーは白いリボンで結ばれた、透明のセロファンの袋に入れられていた。
その愛らしいラッピングを見て、俺は遠慮がちに言った。
「俺が食べてもいいのか?結城さんの為に作ったものだろ?」
「いいのいいの!これは稲沢環っていう私の親友が持ってきてくれたの。環のクッキーはすごく美味しいのよ?だから斎君にも是非食べて欲しいの。」



