小出夫妻が帰り、ふたたび部屋は静かになった。
環が洗い物をして、葉山がそれを布巾で拭く。
さりげなく家事を手伝ってくれる葉山の心遣いが有り難かった。
そんな完璧な葉山に、環はたったひとつだけ不満があった。
それは葉山が自分の弱さをあまり見せてくれないことだった。
苦手な食べものがあるはずなのに、環の前では残さず食べてしまう。
『clover』で働いていたときも、環の為に苦手な水割りを飲んでいた。
疲れているはずなのに、気持ちよく環のために動いてくれる。
いつでも環を守ってくれようとする気持ちは心から嬉しい。
けれど少しは私にも重荷を分けて欲しい・・・。



