花言葉はピュア ー敏腕社長は百合のような彼女を守り抜くー


初秋の並木道は色づいた落ち葉が歩道を埋めていた。

都心なのに自然豊かなこの道は環と葉山のお気に入りの散歩コースだ。

ふたりは手を繋ぎ、ゆっくりと歩いた。

葉山から『ring』の新商品のことや取引先の一風変わった社長の話を聞き、環はそれに頷いたり笑ったりした。

環も現在働いている花屋の様子を葉山に話して聞かせる。

ふと話が途切れ、葉山が感慨深そうに環をみつめた。

「どうしたの?」

環が首を傾げると、葉山は言った。

「いや、こんな風に環と過ごせる俺は幸せ者だなって思ってさ。環の面影を追っていた昔の俺に教えてやりたい。」

「なに言っているの?私の方が幸せ者だよ。」

「・・・出会った頃の環は全く俺に心を開いてくれなかったからな。俺の必死の口説き文句もどこ吹く風、といった態度だったし。」

「そんなことない。私は斎さんの言葉にいつもドキドキしていたよ?でもそれを伝える術を知らなくて・・・。だって・・・この歳で恥ずかしいけど・・・斎さんは私の初恋のひとだから。」

「環の初めての男が俺で嬉しい。」

「私にとっては斎さんが最初で最後の男性(ひと)だよ。」

環は葉山の手を強く握り、葉山も同じようにその力を強めた。