その時、環の耳に懐かしい声が聞こえた。

『環・・・』

目を開けると、セーラー服の友恵が微笑みながら立っていた。

そのたたずまいも表情も、あの頃のままだ。

「友恵・・・!!」

環は立ち上がり、友恵に触ろうとした。

けれどその手は空を切った。

『環・・・いつも会いにきてくれてありがとう。』

「友恵・・・」

友恵は少し困ったような瞳を環に向けた。