「貴方の甘い言葉や優しさに触れる度、私は女としての喜びを感じていました。貴方のそばにいることが心地良い。貴方の胸に飛び込んでしまいたい。・・・でも、駄目なんです。私は貴方の正体を知っています。友恵は貴方が好きだった。貴方と恋がしたいと夢見ていた。そんな友恵を置いて私だけ幸せになれない。私・・・葉山さんから受けた温かい気持ちをこれから先、ずっと一生忘れません。」
「・・・環さん?!」
「さよなら。葉山さん。」
それだけ言い残し、環は電話を切った。
葉山の告白は環にとって、死ぬほど嬉しく、そして何より哀しかった。
さよなら・・・愛しいひと。
さよなら・・・私の初恋。
そして翌日、環は『ring』本社宛に辞表が入った封筒をポストへ入れた



