環は葉山に問いかけた。
「『テラシマケニハ イクナ』というあの怪文書・・・葉山さん、ですよね。」
無言の葉山に環は肯定の意を汲み取った。
「もし寺島家の人があの怪文書を書いたのなら、『テラシマ二ハ クルナ』という文章を作ったはずです。」
「・・・怒っていますか?」
葉山の静かな言葉に、環は首を横に振りながら答えた。
「怒る訳がないです。葉山さんはいつも私を思っての行動をしてくれました。怪文書もそうですよね?」
「寺島家は必ず環さんを攻撃し傷つけると思いました。俺は貴女をそんな所へ行かせたくなかった。」
「・・・その気持ち、伝わっています。すごく嬉しいです。」



