少しの沈黙のあと、葉山が切り出した。 「お友達の件、片付いたようですね。先ほど小出から連絡が来ました。よかったですね。」 「はい。私の所にも頼子から貸したお金が返ってきたと報告がありました。ほんとにありがとうございました。」 「俺は何もしていませんよ。」 「いえ。兄が亡くなってから私がここまで生きてこれたのも、葉山さんが助けてくださったお陰です。本当に感謝しています。」