恋なんてしないと思って生きてきた。 それでいいと思っていた。 なのに、初めての恋が友恵の好きなひとだったなんて・・・なんて神様は残酷なんだろう。 環は机の引き出しから辞表を書いた便せんを取り出した。 これ以上葉山を好きになる前に、自分から離れよう。 このアパートも引っ越して、葉山の前から消えよう、と環は思った。