その時葉山のスマホから着信音が鳴った。 「すまない。ちょっと外す。」 葉山はスマホを耳に当てながら、席を立った。 環と二人きりになった小出は、頬杖を付き、やはりニヤニヤとしながら環の顔をじっと見た。 「あの・・・」 環の言葉を遮るように、小出が内緒話をするように小声になり、環に顔を近づけた。 「そっかそっか、君が環ちゃんかあ-。」 「・・・・・・。」 なんと答えれば分からず困っている環に、小出はさらに言い募った。