花言葉はピュア ー敏腕社長は百合のような彼女を守り抜くー


「あーでもひとりだけ付き合ってた女の子いたよな?オリエちゃんだっけ?」

「うるさい。黙れ。」

「なんとなーく環ちゃんに似た女の子だったよなあ?」

小出はニヤニヤしながら、環を見た。

環は葉山が大学時代とはいえど、女性と付き合っていたことにショックを受けていた。

もちろん自分のように、葉山がこの歳までずっと誰とも付き合ったことがないなんてあり得ないのはわかっていたけれど・・・。

「環さん。昔のことです。」

そう言って困ったように微笑む葉山の顔を見て、環はなぜだか泣きそうになった。

「・・・葉山さん。小出さん。今回のこと、本当にありがとうございます。」

環はそんな自分の気持ちを隠すように頭を深く下げた。