「それで具体的にはどうすれば・・・」
「そうねえ。」
小出は少し考えてから、カバンの中にある財布を取り出し名刺をつまんだ。
そしてその名刺の裏に自分のメールアドレスを書き、環に渡した。
「これを頼子ちゃんに教えて、僕に連絡頂戴って言ってよ。あとは頼子ちゃんと直接話し合ってその大川って男を呼び出す。そして僕が法律ってものをその男にたっぷり教えてやるからさ。」
「ありがとうございます!」
環は大きく頭を下げた。
「いいって。礼は斎君に言ってよ。僕、大学時代斎君をだしにして何回も合コンしてるの。その時の借りが今でも残ってるのよ。だってその合コンで僕、愛する奥さんと出会ったんだからね。」
「小出さん、ご結婚されてるんですね。」
身軽な雰囲気から小出がてっきり独身だと思っていた環は、目を丸くした。



