小洒落た渋谷のカフェバーで環は葉山と食事をしながら、葉山の知り合いだという弁護士を待っていた。
「緊張しなくても大丈夫です。奴はコミュ力の塊のような男ですから。」
「はい・・・。」
それでも弁護士といえば先生と呼ばれる職業だ。
ましてや葉山の知り合いである。
どんな人間がくるのか見当もつかず、環は固まった身体をアルコールでほぐすように、グラスビールを口につけた。
しばらくすると店のドアが開き、茶髪でくせっ毛の男性が入って来た。
服は柄シャツにジーンズ、そしてサングラスをおでこにかけている。
まさかとは思いつつ、環が目を奪われていると、その男は葉山の肩をぽんと叩いた。



