仕事中、環は店内視察にきた葉山にスタッフルームへ呼ばれた。 葉山は環に対していつになく厳しい顔を向けた。 「環さん。仕事中です。そんな暗い顔をしていたら客が逃げてしまいます。笑顔とまではいかなくても、もっと和やかな雰囲気で接客をお願いします。」 「はい。申し訳ありませんでした。」 環は葉山に深く頭を下げた。 昨夜の頼子の話に心を奪われ、気もそぞろになっていた。 自分は接客のプロ失格だと、環は自分を責めた。