「でも・・・だったら私にその・・・斎君を紹介してくれれば良かったのに。」
環はなんでも包み隠さず友恵に話してきたのに、友恵に秘密を持たれていたことがショックだった。
つい環が恨めしそうに言うと、加奈子はふふふと笑った。
「きっと友恵は斎君を独り占めしたかったのね。それに環ちゃん可愛いから、斎君を取られちゃうと思ったんじゃない?」
「そんな!友恵の方がずっとずっと明るくて綺麗で可愛いのに。」
「あのね。色んなお花があるでしょ?どれもとても綺麗でしょ?なあんてヒット曲の歌詞みたいなこと言っちゃうけど、環ちゃんは友恵とはまた違った美しさがあるのよ。自分でそれに気づいていないだけ。環ちゃんはとても綺麗よ?」
「・・・ありがとうございます。そんな風に言ってもらえて嬉しいです。」
いつも他人の顔色をうかがっておどおどして、臆病な自分に、環はずっと自信が持てないでいた。
友恵のように明るく朗らかな女性になれたらいいのに、と願って生きてきた。
けれど加奈子にそう諭され、環は初めて思った。
自分は今のままでいいのだ、と。



