葉山は身分を偽って自分に近づいてきたのかもしれない。
しかしお金をだまし取られるどころか、生活の糧を与えてくれたのだ。
環はどうしても葉山を悪い人間だと思いたくなかった。
でも・・・じゃあどうして赤の他人の私の世話を焼いてくれるのだろうか?
「私の言ったことを信用できないなら、卒業アルバムを確認してみたらどうかな?」
「!!」
たしかに環は葉山の言葉を疑いもせず、卒業アルバムで確認しようなどと思いもしなかった。
「稲沢さん、気を付けてね。弱った女性につけ込む男は案外多いのよ?なにかあったら私に相談して?」
真奈美は名刺を置き、その後の予定があったようで、すぐに帰っていった。



