「そんな・・・」
愕然とする環に真奈美は小さく笑った。
「なにか思い違いをしているんじゃない?」
「野村さんこそ・・・別のクラスにいたとか、忘れているとか、ありませんか?」
「ありえないわ。私は高校のとき、これでも生徒会長をしていたの。だから同じ学校の生徒だったら絶対に憶えている自信がある。」
じゃあ・・・葉山さんはいったい何者?
顔面蒼白になっている環に、真奈美は心配そうな顔をした。
「その葉山という男、怪しいわね。何か目的があるのかもしれないわよ?たとえば詐欺とか・・・なにかの投資や集まりに誘われたりしていない?」
「いえ・・・そんなことは一切ないです。」



