「これはあくまで噂よ?でも私的にはかなり信憑性の高い噂だと思ってる。というか校内では公然の秘密のようなものだったわ。」

「なんでしょうか?なんでもおっしゃってください。野村さんが感じたことで結構です。」

「うーん。」

真奈美は少し逡巡したのち、口を開いた。

「その・・・二人は付き合っていたんじゃないかと。」

「え・・・?付き合う・・・?」

付き合うという言葉の意味が環の中でうまく咀嚼できなかった。

「それは友達としてという意味ではなく?」

真奈美は曖昧に首を縦に振った。

「はい・・・亡くなってしまった今だから言えるけれど・・・ふたりは恋愛関係にあったのではないかと思うんです。女子ってそういうことに敏感でしょ?しかも太一君も勇次君もルックスが良く、女子人気が高かった。だから余計目立ってた。BLが好きな女子達はふたりの姿に陰で黄色い声をあげてたっけ。」