環の言葉に真奈美は肩を竦めた。

「まあ・・・思春期の妹に話せるようなことでもないですもんね。それに・・・」

「それに?」

環の問いに、真奈美は少しためらいがちに言った。

「太一君のそばにはいつも勇次君・・・寺島勇次君というクラスメートがいて。」

そう言ってから今回のことは寺島とのドライブが原因だと思い出したのか、急に真奈美は口をつぐんだ。

「高校時代から兄と寺島さんは本当に仲が良かったんですね・・・」

「仲がいいというか・・・」

真奈美は言いづらそうに、その後の言葉を発しようか迷っていた。

「野村さんが知っていること、なんでもいいので教えてください。お願いします!」

環の真剣な眼差しに、真奈美は訥々と話し出した。