二人は一定の間合いをとり、お互いを見つめ
合う
一番隊と二番隊の隊士たちは息を呑み、その光景を見守っていた
花音は左右逆の霞の構えの様な体制で重心を少し低くする
天然理心流…それが花音の剣だ
最初は所詮、田舎剣法だとか思っていた、どこにも名を聞いた事がなかったからだ…試衛館で花音と最初に戦うまでは、
「いきます!」
花音の叫びと共に試合が始まる
「天然理心流…荒波の剣!」
花音と花音の木刀の周りに美しく青い水の玉が出現しそれが一斉に弾け散り、辺りは嵐の日の海の様な荒々しい水の波で包まれる
気づくとその荒波と同時に花音の木刀が新八に迫っていた
「ふっ!」
バチッ!
新八は木刀でそれを受け流す
「まだだよ!」
新八は木刀を構え、次の攻撃に備える
「天然理心流…菊水!」
複数の水の輪が木刀を囲み、花音は下から剣を突き上げる
新八は花音の突きの威力を木刀でうまく殺して後ろに飛び一回転して着地する
「うわぁっ、…と」
「やるなぁ!」
新八は体制を整えて花音を褒める
「新八くん、防御はもう見飽きた!」
花音は構え直す
「はやく、見せてよ…」
「分かってるって…」
新八は木刀を頭の上に突き上げ、両脇を大きく開いて胸を張る
これこそが江戸の三大流派の一つ
神道無念流の構え
見守っている隊士達がざわめく
新八は目を瞑る
「神道無念流…」
そして目を開き、花音に鋭い眼光を飛ばす
凄まじい気迫に、花音は少し震えて息を呑む
「雷撃の太刀!」
木刀に雷が帯びる
新八は花音に突っ込む
「でりゃあ!」
新八は花音に向かって木刀を振りかざす
「新八くん!遅いよ!」
花音は前に飛び、新八の頭上を一回転してかわす
新八は振り下ろした木刀を下ろしたまま、剣先の地面を見つめていた…
神道無念流の前で速度を語るな__
「なんて、お前が一番良く知ってるよな」
新八の体に雷が帯びる
「神道無念流…稲光」
新八は後ろに飛び上がった花音に物凄い速度で接近し、左脇付近に木刀を打ち込む
雷音が遅れて鳴り響く…
「くっ…」
花音は透かさず木刀で受ける
しかし、威力が殺しきれず地面に叩きつけられてしまった
「がはぁっ…」
地面に横たわった花音はすぐに立ち上がり体制を整える
「やっぱり…凄い…」
「お前も凄えよ、俺の稲光に反応できる奴なんてそう居ないさ」
隊士達はざわめく
「まだまだ!」
花音は負けじと打ち込みに行く
「荒波の剣!」
「雷撃の太刀…」
二人の剣がぶつかる
水と雷が弾け合う
バチッ!バチン!バチーン!と木刀のぶつかり合う音が鳴り響き二人はほぼ互角の攻防を繰り広げる…そして
「新八くん!絶対に負けない!」
「来い!」
花音は構える
「天然理心流!菊水!」
「神道無念流…稲光!」
花音の体と剣に水が纏い、渾身の突き技で突進する
新八の体と剣は雷を帯び、音を置き去りにする速度で打ち込む
隊士たちは二人の戦いの行く末を固唾を飲んで見届ける…
一番隊の隊士たちは涙目になりながら手を合わせる、「お願い」と、呟きながら…
ドカーーーーン!!!
二つの技がぶつかった衝撃で土煙が舞う
近くに居た隊士たちも数名ふっ飛ぶ
土煙の中で誰かが吹き飛んでいく影が見えた…
「うぅっ…」
花音が倒れていた
一番隊の女性隊士が「花音さん!」と叫ぶ
花音はボロボロの体で、飛んでいった木刀を探しながらキョロキョロし、辺りを見回して手を伸ばしかける
「まって…まだ…」
気づくと目の前に木刀が映る
花音の木刀じゃない、自分に向けられた木刀の切先が…
「あっ…」
目の前に新八が立っていた…新八は稽古着こそ汚れているが、致命傷には至らなかった
「…」
新八は花音の目を見つめる
「参り…ました…」
新八は優しく笑いかけた
「やっぱり凄いね、新八くん」
「お前も強かったよ…」
新八は花音に向けた木刀を下ろし、逆の手を花音に差し出す
「ありがと!」
花音は新八の手を取り、体を起こす
一番隊の女性隊士たちは涙ぐみながらも、優しく笑い見守っていた…
「でも、流石だね!」
「ありがと…」
新八は花音の頭に手を優しく置く
「新八くんは優しくなぁ」
「敵わないよ…やっぱり新八くんには」
新八の顔を見つめて笑う
「新選組の…最強剣士さん!」
花音の顔を見つめ新八も笑った
合う
一番隊と二番隊の隊士たちは息を呑み、その光景を見守っていた
花音は左右逆の霞の構えの様な体制で重心を少し低くする
天然理心流…それが花音の剣だ
最初は所詮、田舎剣法だとか思っていた、どこにも名を聞いた事がなかったからだ…試衛館で花音と最初に戦うまでは、
「いきます!」
花音の叫びと共に試合が始まる
「天然理心流…荒波の剣!」
花音と花音の木刀の周りに美しく青い水の玉が出現しそれが一斉に弾け散り、辺りは嵐の日の海の様な荒々しい水の波で包まれる
気づくとその荒波と同時に花音の木刀が新八に迫っていた
「ふっ!」
バチッ!
新八は木刀でそれを受け流す
「まだだよ!」
新八は木刀を構え、次の攻撃に備える
「天然理心流…菊水!」
複数の水の輪が木刀を囲み、花音は下から剣を突き上げる
新八は花音の突きの威力を木刀でうまく殺して後ろに飛び一回転して着地する
「うわぁっ、…と」
「やるなぁ!」
新八は体制を整えて花音を褒める
「新八くん、防御はもう見飽きた!」
花音は構え直す
「はやく、見せてよ…」
「分かってるって…」
新八は木刀を頭の上に突き上げ、両脇を大きく開いて胸を張る
これこそが江戸の三大流派の一つ
神道無念流の構え
見守っている隊士達がざわめく
新八は目を瞑る
「神道無念流…」
そして目を開き、花音に鋭い眼光を飛ばす
凄まじい気迫に、花音は少し震えて息を呑む
「雷撃の太刀!」
木刀に雷が帯びる
新八は花音に突っ込む
「でりゃあ!」
新八は花音に向かって木刀を振りかざす
「新八くん!遅いよ!」
花音は前に飛び、新八の頭上を一回転してかわす
新八は振り下ろした木刀を下ろしたまま、剣先の地面を見つめていた…
神道無念流の前で速度を語るな__
「なんて、お前が一番良く知ってるよな」
新八の体に雷が帯びる
「神道無念流…稲光」
新八は後ろに飛び上がった花音に物凄い速度で接近し、左脇付近に木刀を打ち込む
雷音が遅れて鳴り響く…
「くっ…」
花音は透かさず木刀で受ける
しかし、威力が殺しきれず地面に叩きつけられてしまった
「がはぁっ…」
地面に横たわった花音はすぐに立ち上がり体制を整える
「やっぱり…凄い…」
「お前も凄えよ、俺の稲光に反応できる奴なんてそう居ないさ」
隊士達はざわめく
「まだまだ!」
花音は負けじと打ち込みに行く
「荒波の剣!」
「雷撃の太刀…」
二人の剣がぶつかる
水と雷が弾け合う
バチッ!バチン!バチーン!と木刀のぶつかり合う音が鳴り響き二人はほぼ互角の攻防を繰り広げる…そして
「新八くん!絶対に負けない!」
「来い!」
花音は構える
「天然理心流!菊水!」
「神道無念流…稲光!」
花音の体と剣に水が纏い、渾身の突き技で突進する
新八の体と剣は雷を帯び、音を置き去りにする速度で打ち込む
隊士たちは二人の戦いの行く末を固唾を飲んで見届ける…
一番隊の隊士たちは涙目になりながら手を合わせる、「お願い」と、呟きながら…
ドカーーーーン!!!
二つの技がぶつかった衝撃で土煙が舞う
近くに居た隊士たちも数名ふっ飛ぶ
土煙の中で誰かが吹き飛んでいく影が見えた…
「うぅっ…」
花音が倒れていた
一番隊の女性隊士が「花音さん!」と叫ぶ
花音はボロボロの体で、飛んでいった木刀を探しながらキョロキョロし、辺りを見回して手を伸ばしかける
「まって…まだ…」
気づくと目の前に木刀が映る
花音の木刀じゃない、自分に向けられた木刀の切先が…
「あっ…」
目の前に新八が立っていた…新八は稽古着こそ汚れているが、致命傷には至らなかった
「…」
新八は花音の目を見つめる
「参り…ました…」
新八は優しく笑いかけた
「やっぱり凄いね、新八くん」
「お前も強かったよ…」
新八は花音に向けた木刀を下ろし、逆の手を花音に差し出す
「ありがと!」
花音は新八の手を取り、体を起こす
一番隊の女性隊士たちは涙ぐみながらも、優しく笑い見守っていた…
「でも、流石だね!」
「ありがと…」
新八は花音の頭に手を優しく置く
「新八くんは優しくなぁ」
「敵わないよ…やっぱり新八くんには」
新八の顔を見つめて笑う
「新選組の…最強剣士さん!」
花音の顔を見つめ新八も笑った
