海のように深い優しさを持った君へ―
私はあれから上手くやってるよ、君が教えてくれたよね
一人だった私を救ってくれたのは貴方でした―

蝉が煩い夏の日家から帰るといつものが始まった。
「おい!この酒じゃねーよ!販売会社が違うだろ」

「はい、すみません…」

「たく、使えねえな買い直せ!」

「分かりました…」
自分の部屋にいても聞こえる二人の喧騒、制服のまま
布団に倒れ込み煩い声に耳を塞ぎたくなる

「やめてよ…」

そのまま眠ってしまおうと思ったが今日の出来事が
フラッシュバックし眠れない
忘れてしまいたいけどどうしてもできなかった

今日の教室であの子に言われた

「小夏って誰の味方なの?八方美人でウザい」

毎日怒鳴り声が聞こえる部屋、居場所のない教室私の
心が休まる場所はもはや無かった
「消えたい…」
しんどい、疲れた、逃げ出しと思ったこともあるだけど
私はまだ子供だ。ここから自由になれたらどれだけ楽かと思いながら私は浅い眠りに落ちた―

「小夏朝よ起きなさい」

「おはよ」

そうやって母に起こされ学校の準備をする

「お父さんは……?」

「今日は早く出てるわ」

「そっか」
最近休みがちだったから迷惑かけないようにしないとと考えていた時に母は言った

「ねぇ、小夏大丈夫?顔色悪いけど」

「大丈夫だよそのうち良くなるし」

「そうならいいけど無理しないでね」

「うん、ありがとう」
母は優しいだから負担にならないようにいつも考える

「じゃあ、行ってきます」

ここからは教室に入ってみんなに無視され空気のように扱われて家に帰る。帰ると喧嘩私はどうしたらいいのか

お父さんが寝たあと母が私に話した。

「最近元気が無いし学校も苦しそうだから祖父の家に行って来てほしい家もこんなだし」

「え…でも…」

いきなり何を言い出すのかと思ったでも嫌なことからは
逃げられるかもしれない

「無理やりとは言えないでも、窮屈でしょう?」

「それは…」

「私はそっちのほうがいいと思うのね」
母の提案を無下にはできないと思った私はその日
母の言葉を言い訳に逃げるように家を出た。