さよならの前に抱きしめて

駅のホーム。

電車に乗る小鳥遊くんの後ろ姿が小さく見えた。
かじかんだ手がやけに冷たい。

離れた温もりは、ここにはなくて心の中に残るだけ。


何度も何度も焼き付ける姿。
胸が痛くて切なくて。


触れた体温とキスだけが胸を締めつけた。



小鳥遊くん、バイバイ。

雪が溶けたら会いに行く人からね。



涙で滲んだ視界。


胸がきゅっ、として切なかった──…