心と頭に並ぶ文字はぐちゃぐちゃで、時間だけが過ぎて、気持ちを待ってくれない。もうすぐで電車が到着すると言うのに。

私は、ついに涙が一粒頬を伝ってしまい、それを合図に二粒目…と我慢できずに溢れてしまった。


「ななせから、聞いたでしょ。親が離婚すること」

「うん…聞いたよ。小鳥遊くん…と──(バイバイしたくないよ)」

「転校するの、だいぶ前から決まってたんだ。……うちの親、仲悪くてさ」

「……」

「だから、高校では仲良い友達作るのやめようって思ってたのに」


小鳥遊くんは真っ直ぐ私を見つめてくる。


「都倉さんはそんなの軽く飛び越えてくからさ……ほんと……困った」


目尻を下げて柔らかな笑みだけ残したんだ。

私は、その場にしゃがみこんで、隠してた涙声を出しながら、うずくまって泣いた。

小鳥遊くんが近づく音が聞こえる。